始まりの詩

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明朝、ダークは集会所へ来ていた。 自慢の得物“コウリュウノツガイ”という、金銀火竜の素材から作られた火属性の双剣を軽く手入れし、背中に差す。 生活用品や装備などを詰め込んだ竜車を確認し、そっと頷いて、ダークはギルドマスターに渡された資料に目を通した。 「行き先はポッケ村、雪山の麓にある村、か」 「そうじゃ。そこにオババという者が居るのでな」 「依頼は、モンスターの討伐と狩場の調査か…やっぱりギルドナイトの仕事じゃねぇか」 溜め息をつくダークに、マスターは息を詰まらせ顔を背けた。 その様子に、ダークは首を傾げる。 「そりゃあ送ったわい…ギルドナイトはおろか、ギルドガードまでもな…しかし、誰一人として帰っておらんのだ」 「…仕方ない、か」 ダークは自分の装備を見直した。 碧く美しい色。 一生に一度会えるかどうか、伝説に近い存在、古龍。 さらにその中でも最上級の力を持つ存在と相対し、見事討伐した時のことを思い出す。 エンプレスXは、ダークの実力の象徴であり誇りだ。 「行ってくる」 確固たる決意を胸に、ダークは旅立ったのだ。
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