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『逃げっぞ、廉ちゃん、ラビ!!』
『ブラジャー!!』
『はっ、ちょ…お前ら?』
中村たちが身動きできない隙を狙って、窓ガラスから飛び降りる三人。晴喜と渚に腕を掴まれて背中から落下する廉太郎。
『うはぁ~中庭だね~』
『うわぁぁぁあ!!!』
『うわぁぁぁあ、たすけてぇ~~』
晴喜は、廉太郎を掴んでいる腕じゃない方で水のりを地上に打ち付けるように流す。
『うわっ』
『ぎゃ!!』
『ぬおっ…』
水のりをクッションに、三人は無事着地するとすぐにノリから飛び降りる。
『……し、死ぬかと思った』
廉太郎の反応は正しかった。
『久しぶりにスリリングな体験したね』
『そんな事より早く逃げないと、またオバサン来るぜ』
晴喜は身動き出来ない廉太郎を担ぎ、建物内に急いではいる。
突然現れた巨大な水のりの塊と、上から降ってきた子供を見た一般人は目を疑う光景に唖然としていた。もちろん悲鳴を上げるものもいた。
『ラビ急いで』
『急ぐって、どこにいくのさハルちん?』
『わっかんねぇけど、とにかく逃げないと』
『晴喜、渚!!!お前ら何やってるんだ?』
二人がロビーに出ると、背後から聞き慣れた声。淳二が立っていた。
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