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中学校の敷地内に入れば、中では部活動に励んでいる生徒。行事ごとで学校にきている教師たちがいる。
『何してるんだ、嘉山、朝倉、杉原!!』
保健室を目指していた廉太郎たちを呼び止めたのは、廉太郎と晴喜の担任だった。
『カトチン』
『部活動もしてないお前らが、何しに学校きてんだ?』
『……いや、ちょっと近くまで寄ったから』
『近くまでって…、杉原お前どうしたんだその格好?』
廉太郎の格好は、さっきまで病院にいたために寝間着である。
『……いや、ハルキに無理矢理連れてこられて』
『無理矢理って、…』
『せんせぇ、邪魔だよん!!ハルちん限界なんだから』
『あ……もう、無理』
『え、ちょ…いだっ…』
病院から学校までの距離を、ひたすら廉太郎をおぶってきたため、足腰はガクガクと震え限界だった晴喜。
『膝が笑っちゃってるじゃんかー』
背中から落ちた廉太郎は、痛みで起き上がる事も出来ずに廊下に転がる。
『たくっ、悪させずに帰れよ』
担任のカトチンは呆れた顔をしてから、自分の部活動の方に歩いていく。
『カトチンのやろぉ…可愛い生徒を助けようって気持ちはないのかよ』
けっ…と、吐き捨てると廉太郎は渚に支えられて立ち上がった。
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