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保健室のベッドに寝転んだ廉太郎。保健室の冷蔵庫に入っていたヤクルトとオロナミンCを取り出した渚は、廉太郎と晴喜に渡す。
『タロちゃ~ん、これからどうするのさぁ?』
『……どうするって、どうしようも無いだろ』
『でもさ、何もしなかったら……オレたち殺されるんだろ?』
『……』
沈黙が起きて、保健室には外部の掛け声と、吹奏楽の楽器の音が微かに聞こえるだけだった。
『……こんなコインって、あれ…オレのコインがない』
『は?』
『あのときだ…』
メモリアルケースに入っているはずのコインを無くした晴喜は思い出した。病院でコインを落とした事を…
『オレ、取ってくる』
『よせ、あぶねぇぞハルキ』
『でも…』
《おいおい、さっきから辛気くせぇ事ばっかちんたらちんたらしやがって……ババババーンのジャジャジャジャーン!!ピエロくんっだっよーん!!》
またも合図なしに現れたピエロは、青い石が埋め込まれているコインを一枚、見せびらかすように持っている。
『……オレの!!!』
《ダメじゃないのぉ~朝倉晴喜ぃ~、コインは大切にしなくちゃ~》
『ピエロありがとー!!!!』
《おっ、およ…アハハハハ、君は元気だねー》
晴喜はピエロの手を掴み、上下に激しく振る。
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