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渚がピロの首から手を離すと、ピエロは咄嗟にパソコンに逃げ込み、顔だけを出した状態となった。
『……なんか、えげつない』
ピロの異様な光景に、晴喜が呟いた。
《プレゼントはね…》
ピロは腕を三人の前に出すと、黄色い光が三つ綿のように浮かんでいる。
『……ホコリ?』
『チリじゃないの?』
『ホコリもチリも一緒だろ…』
晴喜と渚のボケにツッコミを入れた廉太郎は、光の綿に手を伸ばした。
《そっれはね~》
『えっ』
『…』
『ッ!』
ピロが説明をする前に、光は三人の目の中に入っていった。一瞬の出来事で、三人は驚きと戸惑いで首だけのピロを見つめた。
『な、なになに?え、目?え?』
右目を押さえながら、晴喜は慌て出した。渚は唖然としたように晴喜同様に右目を押さえる。
『おい、ピロ!』
《痛みがないならだーいせーいこーっ!!ナハハアハハハハハ》
『笑うな!!』
《……レンタロウは短気だなぁ~、今のはボクの能力を具現化してキミたちに提供したんだよ》
『ていきょー?』
《キミたちの目は、ボクが見た敵の能力数値をみる事が出来るのさ!!》
『え、ピロちゃんの能力がオレたちにもついたの?』
《ノンノンノン、能力を植え付けたわっけじゃなーくてね、ボクの見たモノをキミたちが視ることが出来るようになったのさ!!》
『お前の目が、おれたちの目になったようなモノか?』
廉太郎の言葉に、高らかに笑い出したピロはパソコンの中に消えていった。
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