第四章:そんな君が

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ある日僕は、君と2人、映画を見に行った。 ショッピングモールでぶらぶらして、 さぁ映画を見ようとなったとき 君は自分が財布を忘れてきたことに気が付いた。 「悪いんだけど、貸してくれる?」 申し訳なさそうにそう言う君に、 僕はたいした金額じゃないから払うと言った。 でも、君は決して首を縦には振らない。 それが、彼女のけじめのつけ方だった。 僕との一線の引き方だった。 僕はそれが少し寂しかった。 だけど、そんな君が、好きだった。
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