第一章

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キーンコーン と昼休みを告げるチャイムがなる。 腐っても男。飯だ飯だと言う歓喜の声がそこら中であがっている。 もちろん俺も例外でなく、 「飯だ飯だ。佐藤君や、暇かえ?俺と一緒にランチでもどうだい?」 意気揚々と話しかけた。 「悪い井上君。俺今日親衛隊の集会があんだわ。また誘ってくれ。」 がしかし、断られた。 そして気付くとクラスの殆どが教室から消えていた。 (あらら…重なっちゃったか集会が。) 俺の友達は(というかこの学園のらほとんどがホモだからしょうがないんだが)ほとんどがホモである。 よって集会が重なる日は昼を共にする人が限られてきてしまう。 (で、あと教室に残るわ…) 後ろを振り返る。 「…なんだよ」 「昼、一緒に食わね?」 愛しの中島君だ。 「…お前は女子か、1人で食えよ1人で。」 「違いますー。寂しがりやなだけですー」 「それが女子かっつってんだよ。」 「…。ってあれ?本田は?」 いつも一緒の本田がいない 「あぁ、あの馬鹿転校生にメールで呼び出されたんだと。」 「…行かなきゃいいのに。」 メールなら無視しても後で誤魔化せる。気付かなかったとか。 「まぁ、それがアイツだ。」 ふ、と笑う中島 「なによその意味あり気な微笑みは。妬いちゃうじゃない。」 二人の間の絆?みないなもんがどれだけ強いか嫌でも感じられる。 「うるせ。てかどこのオカマだよ。」 「夜の街でスナックしてんの。んで結構繁盛してる。」 「設定を考えて欲しかったわけじゃねぇよバカ。おら、さっさと行くぞ。」 「ちょ!待てよ」 妬けたというのは本当だ。 (俺もこんな親友欲しかったなぁ。あ、もしかして佐藤君が?…違うな。) 「本田が羨ましいよ。」 「あぁ、アイツも似たような事言ってたな」 「へぇなんて?」 「『俺は鳥が羨ましいよ。』みたいな?」 「…お前それ本田病む寸前じゃねぇか。」
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