第一章

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「腹減った。食堂行くぞ空。」 その場の全員が一瞬硬直した。 が、すぐに非難の声が上がる 「1人で行けばよろしいでしょう。空まで巻き込まないで下さい。」 「「そうだよぉ!ソラを巻き込まないで!」」 「空、俺と食う」 さっきまで俺に向かって居た嫌悪の眼差しと言葉は、会長に向けられた。 (…た、助かった…) 胃の痛みも消えて居た 「うるせぇんだよお前ら。俺様が行くっつったら行くんだよ。」 そう言って双子から空を剥ぎ取る会長 「なぁ?空。腹減ったよな?」 「お、おお!皆で食堂行こうぜ!」 「空が言うなら仕方ありませんね。」 「「ソラが行くなら僕らも行くぅ」」 「ん…空の隣…俺、予約」 「あぁずるぅい!ねぇ?苑?」 「早い者勝ちだよねぇ?禅?」 「その通り、予約制は無しですよ。凛。」 「…むぅ」 俺の存在はもう空気になり、やっと解放されるかと安堵した。 が、 「もちろん雄大も来るよな?」 再びキツイ眼差しが俺を突き刺す。 (もお、やだ…泣) 「えぁ?いや俺はそのぉ…」 例の4人から来るなよと無言の威圧感が出ている。 「行きませ「来い。」…は?」 俺の言葉を遮ったのは会長。 恐る恐る目を向ける 「お前も来い。」 それだけ言って、空を連れて歩き出した。 後の4人も出て行く。 「意味が分からん…」 誰もいなくなった生徒会室で、ひとりこぼした。
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