始まり

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授業が終わり、英生は先生に 呼ばれた。 『あんた最近、授業に集中できてないよ。マンガ読むのは前からだけど、机に突っ伏して寝る事が増えた。何かあったの?』 担任の田辺先生は理解がある。 高校一年生の間に喫煙で2度の謹慎処分を受け、その謹慎中にまた喫煙が見つかり、退学になりそうになった英生。 校長室に呼ばれふてくされていると、泣きながら親と一緒に頭を下げてくれた 最近では珍しい生徒思いの 良い先生だ。 もちろん英生も頭が上がらない。 『先生、冗談抜きで体が最近ダリーんだって。先生の授業嫌いじゃないし、めんどくせ-けど頑張ろうと思ってるし。』 『あんたはまたそうやって先生を茶化す。あんたは良い意味でも悪い意味でも、皆に影響力あるんだから 少しは自覚しなさい。』 本当なんだけどな…そんな事を思いながら 英生は黙って頷いた。 この時は先生はもちろん 英生本人でさえ 体を蝕む悪魔には気付いてなかった。
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