第一章

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「それで何があった?」  気を取り直しアーキスは聞き直した。 「これなんだけど――」  アーキスは社長から手紙を受け取る、読み上げる。 「なになに……『みなさん元気ですか? 現金があれば何でもできる――バカヤロー! 危ぶむなかれ危ぶむなかれ、つかみはバッチリでしょうか? ゾッドの幹部のエンテです。僕はとっても元気です。ナイトガンダムのレベルが二十になり、炎の剣をとりました。セイラとネモをパーティに入れてます。早くスレッガーを仲間にしたいです。季節も師走が去って、桜がほころび過ごしやすい季節になりました。そんなわけでアースのみなさんをボコボコにしたやりたいと思います。ラクシア総合ドームでお待ちしてます。是非よろしく。  PS 家庭菜園で採れたトマトあります』」  アーキスは手紙をデスクに置いた。 「そうか――」  そして口を開く。 「トマトか――」 「違うでしょ」  すかさず蓮が答える。  ゾッドは犯罪組織で様々な犯罪を繰り返している。目的は不明だがアースとは浅はかならぬ因縁があった。 「アーキスはどう思う?」  アース最古参のアーキスにフェアリーは尋ねる。 「挑戦されて背を背けるは男の恥じ! よって返り討ちにしてやりましょう!」 「あなたならそう言うと思いましたよ」  蓮は無表情だ、肯定とも否定ともとれない。 「ゾッドの奴らに改めて思い知らせてやる! オレがキムチ鍋が大好きということをっ!」 「そんな事を思い知らせてどうするんですか!?」  もはやツッコミに疲れた蓮の代わりにラクサスが言う。 「夏でも食べる!」 「知りませんよ」  ラクサスはため息をついた。 「私としてはゾッドと戦うことに反対しない。ただ蓮の言うとおり罠があると思う。そして作戦を考えてみた」  ジェームズの発言に蓮を目で促す。 「名付けて相撲レスラー大作戦。全員まわしを締め、総がかりで土俵一杯押し込んで、決まり手は寄り切り」 「却下です」
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