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先生の話が始まるとすぐに周りの人達に心配されたけど、実際は考え事をしていただけだからいつものように受け流す。
黒板に教科書通りのことを綴り、それを書く生徒。
真面目に取り組む人もいれば、隠れて携帯電話を弄ってる人や寝ている人もいる平凡なクラス。
だからと言って誰かが外れたことをすれば、それはそれで迷惑になるのでやめて欲しいと思ったりもする。
人間って単純のくせに矛盾してる。
そうやって時折考えてしまう。
哲学は嫌いだけど、その哲学っぽいことを考えてしまう自分がいるのは確か。
色々と考えているうちにいつの間にか授業は終わりを向かえ、あの教師はいなかった。
休み時間が来たので本の続きでもと思ったけど、何となく気分がのらなくて窓の外を眺める。
雲がなくて空が高い。
そんな気持ちのいい青く澄んだ天気。
「ねぇ」
呼ばれた気がして隣を見ると、さっきの男子が立っていた。
「窓……好き?」
急な質問とその意図はわからなかったけど、とりあえず「外の景色は好きですよ」と答えた。
その男子は「そう」と一言言っただけで席に座ってしまった。
『人がいる時は笑顔を忘れないこと』
これは私のモットーで、このお陰で何かしら得をすることが多かったりもする。
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