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「今回は何を調べたのでしょうか」
彼女は不敵に笑ってから、私を近くの椅子に座らせてくれた。
私には到底真似出来ない速さでキーボードを叩き、モニターに通常では理解不能な英数字や英字が並べられていく。
それらを眺めること数分。
彼女はより一層企んだような笑みを浮かべ、部屋の中心にあるスクリーンを注目するように言う。
「最近にしちゃ、教員のセキュリティーシステムは甘過ぎんのよ。これじゃ、情報は駄々漏れねー。あ、ちなみにこれはアタシが改変したものも多々あるから」
「これ……」
大きく頷く彼女。
スクリーンには映画やドラマでよくありそうな個人データ形式の画面が映し出されていた。
しかもそれは今日来たばかりの神咲のもの。
写真を見ても、今日見たのと比べても、どこにも変化がないのはある意味凄い。
よく面接に合格したなぁと本気で思うもの。
詳しく読んでみると、そこには職場には全く関係のないことまで記されてあった。
氏名は勿論のこと、生年月日、住所、既婚者かどうか等の基本的なことから、彼女の有無、血液型、幼稚園か保育園か等のプライベートな部分まで記されている。
暫く固まってしまった。
本当に、いつ調べたんだろう?
それが一番気になります。
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