アンドロイドモロヘイヤ

3/5
前へ
/264ページ
次へ
 先生は言いました。  真っ暗な世界なのは、回路を動かしたばかりだからだよって。 「回路が温まればじきに見えるようになる。痛さも感じるし、寒いも感じるし、熱いだって感じるさ」  先生。  私は一体何者なんですか? 「言ったろう、君はアンドロイドだ」  アンドロイド。  それは一体なんなのだ。 「急に高圧的に攻めてきたのは何。ビビるからやめろよ」  ……。  それは一体なんですか? 「うん、アンドロイドは機械。モロヘイヤ、君は機械の人間なんだよ」  地球侵略を目論む……アンドロイド! 「うん違うね。アンドロイド知らないくせに予備知識が満載なのは何故だ」  うっすらと。  瞼の裏に青白い光が滲んできました。  私の口の中が湿り気を帯びてきたのも感じます。 「回路が温まってきたんだよ。じきに慣れる」  私はどんな格好をしていますか?  私はどんな髪の色をしていますか? 「急がなくても良い。君の姿は君の目で確認するんだモロヘイヤ。それら全てを生きている実感に変えながら、君は成長していかなければならない」  先生の容姿は?  先生がバツイチなのは、先生の容姿がえらい事になってるからではないのですか? 「うん、君はもう喋るなモロヘイヤ。君が動ける様になってから、まずしなくてはいけない事は君への説教の様だな」  そこはかとない先生からの怒りを感じます……。  私は、何も悪くない。
/264ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加