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身体が。
温かい。
「お、目を開いたな。どうだいモロヘイヤ、今の気分は」
今の気分?
とっても。
とっても。
「眩しいです、先生」
「はっはっは、それもじきに慣れる。薄暗い世界よりも幸せだろう?」
確かに。
それは確かにそう思います。
さすがに先生です。
「さすがに先生です。無駄に年食ってません」
「……いかん、思いも寄らぬ毒舌っぷりに涙が」
眩しくて、きらきらした世界。
私が目にする色々な物は、どれもが輝いて見えて──。
「でも、一番輝いているのは先生……」
貴方の頭です。
「悪かったな。つるっぱげで悪かったな。目は口ほどに物を言うんだよ? モロヘイヤ」
これから私は、何を見るのでしょう。
何と出会って、何を思うのでしょう。
姿見。
「私の姿……」
先生が私の為に置いてくれた姿見には、一人の女の子の姿が写っていた。
一人の──
「可憐ですね。先生、この可憐な少女は誰ですか」
「お前……実は凄く腹黒いアンドロイドなんじゃないか?」
これからの私に待ち受けている物は何か。
先生、私はこれからの旅が楽しみで仕方ありません。
これからの、私の大活躍が。
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