28人が本棚に入れています
本棚に追加
世界は光で溢れている。
私がそれを知ってから、幾年か経過しました。
「おはようございます、先生」
「おはよう、モロヘイヤ。お前が部屋に鍵を掛けるから、部屋に入るのに結構な時間を費やしてしまったよモロヘイヤ」
朝から騒々しいのはいけませんね。
朝は静かに過ごすのが良いのだと、昨日何かの雑誌で読みました。
「先生、なぜ乙女の部屋の入り口をこじ開けてしまうのです。夜這いならぬ朝這い。しかも相手はアンドロイド」
「お前が全く起きてこないからな? 昨日、寝過ごすなってあれ程に釘を刺したのにな?」
……。
枕元のデジタル時計には11時30分の文字。
デジタル時計に目をやるアンドロイドの私。
「滑稽だとは思いませんか?」
「何が」
「思考が口をついて出ただけの事。それ以上の詮索は無用です」
「前々から言おうと思ってたんだが、お前はいったい何様のつもりなんだよ」
貴方の秘蔵っ子。
なんて言ったら怒られるのでしょうか。
「貴方の秘蔵っ子」
「や、やめろ!」
警戒の色を強められてしまいました。
最初のコメントを投稿しよう!