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「証拠?忘れなかった証拠なんて、有るわけ…!」
洋平さんに叫ぶ中村先生。
でも、洋平さんは中村先生をチラリとも見ず、カバンから1つの箱を取り出した。
「サクラ。誕生日って、本当はサクラの幸せを願う日だって、知ってる。
…でも、許して欲しい。」
優しく微笑むと洋平さんは片膝をついて私に頭を下げる。
その手には、小さな箱があった。
「洋平さん…!?」
「花森サクラさん!サクラが年を取って、しわくちゃのおばあちゃんになって、いつか天国に旅立つその時まで
俺の隣にいてください…
もう、1秒も離れて居たくない。
俺を幸せにしてくれるのは、サクラだけなんだ。
だから…俺と結婚して欲しい。」
「っっっ!!!!」
私は嬉しすぎて、何も言葉に出来なかった…
洋平さんは、更に続ける。
「受け取ってくれなくても構わない。ただ、俺が本当にサクラを愛してる証を、サクラに見て欲しい。
この箱、開けてくれないか?」
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