【 序章 物語紹介 】

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冬木の街における魔術の大儀式『聖杯戦争』   イレギュラーの出現や言峰綺礼の謀略等により従来の形式をなくした第五次聖杯戦争は、事に結末をもたらした衛宮士郎の勝利に終わる。   最終的に事件の黒幕となった言峰綺礼は死亡。 『呪いの渦』と化した黒い聖杯はセイバーによって破壊された。   聖杯を巡る戦いが終わり、サーヴァントは消え、冬木の街が平穏な日常を取り戻して約半年後。   10月11日。 士郎も手伝いとして参加した、柳洞寺にて行われた穂群原学園の弓道部と陸上部の合同合宿。   日程も無事に終わった最終日の夜。 学友が集まり、怪談が盛り上がる中、士郎は用を足しに部屋を出る。   暗い境内を考え事をしながら廁へ向かう士郎は、不注意から人とぶつかる。   『あ、すいません 考え事をしてたんで…』   謝りながらぶつかった相手を見た士郎は驚く。   『こちらこそ、ごめんなさい』   そう言いながら士郎の横を通り過ぎた人物。 紫のローブを纏ったその姿は紛れもなくキャスターであった。   時間が止まったように固まる士郎は、自分が何に驚いているのかもわからず、そのまま廁へ足を進めた。   その後、士郎が目覚めたのは自宅の土蔵。 10月8日。 寝てる間に見ていた夢を思い出しながら4日前に戻っている現実に何の疑問も持たない士郎は、縁側でセイバーと挨拶を交わし、いつものように朝食の支度を始めた。   士郎が勝者となり、聖杯の破壊によって幕を閉じた第五次聖杯から約半年。   自然に街で生活するサーヴァント。 閉じられた四日間。 四日目の夜に現れる謎の黒い獣。   平穏を取り戻した冬木の街に、再び何かが起こっていた。
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