世に生まれた

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私は、大雪が舞う1月北海道に生まれた。 寒い朝5時、私は、五体満足で、ごく普通の分娩で生まれたそうだ。 ただ、少し違ったのは、私が生まれた時に、周りには誰もいない。 父も、兄も。 親族も… 誰もいなかったそうだ。 母の母子手帳の記録 「ひろみが生まれた。 外は、吹雪。 お父さんは来ない。 ひろみが生まれた。 私は、もう決めている。」 そして、1ヶ月後の母子手帳。 「お父さんは帰らない。 まだ… 一度も、ひろみを抱いてもいない。」 私は、生まれた頃の記憶はないけれど、 この母子手帳が何を意味しているのか… 母は、どんな思いで私を生んだのか… 生まれた朝。 残されたのは、写真も何もなく… この2回の記録だけ。
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