小学生になる

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父は家には何年も帰らず、母の手一つで、私と兄が育てられた。 とても貧しく、私はいつも兄のお下がり。 ランドセルも黒。 絵の具入れも、みんなが赤いものも青。 中身は、みんな新品なのに、私はない色さえある。 ジャージも青や黒。 髪もショートに母に切られ、ほとんどは男の子に間違われることばかり。 母は私が幼稚園の頃から仕事をしていたため、米とぎは私の役目。 兄は、親戚達に 「お前が、しっかりして、お母さんを将来守るんだよ!」 …と言われ、成績優秀、言うことなしに立派に育っていった。 私は、兄と比べられ、いつも母に叱られ、親戚には 「可哀想にお兄ちゃんに栄養が全部いってしまったんだねぇ」 …と言われ育った。 更に…
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