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インスタントラーメンが入っていた鍋を見つめながら、エリートビジネスマンになっていた自分を想像していた。
あれは、五年前までの自分。
俺は、あの時空想していた自分になっていたんだな。
長期休暇をようやく取って旅行してたら、両親の訃報。
慌ただしい葬儀が終わり、遺産相続。
意外と財産、不動産があった。
土地やアパートの賃貸料で十分食っていけた。
親の代から付き合いのある不動産屋に任せっきり。
それ以前に自分で働いてきた貯蓄が結構な財産になっていた。
仕事仕事でろくに使ってなかったから。金は貯まる一方。
仕事辞めてしまった。
周りは、両親の事も分かっていたから、却って同情してくれた。
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