3/8
前へ
/10ページ
次へ
アタシの生まれはここからウンと遠い海の向こう。 何処か? そんなの知らないわ。 でも、アタシと同じ金髪で青い瞳の人間が多い所。 アタシは並べられていた。 たくさんのドールと一緒に。 その中でも、アタシが一番可愛かったけれど。 毎日、色んな女の子が来てはドールを連れていった。 やって来る女の子は、決まってアタシを見て言う。 「この子が欲しい!」 でも、その子達のパパやママは決まって言う。 「駄目、高過ぎる」 一体何が高いのかしら? アタシは連れていかれるドールが羨ましかった。 ずっと同じ場所に居るのはつまらない。 外は、アタシからしたらそれはそれはキラメキに満ちた世界に見えたわ。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加