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「はい、良い子にしてたルカに」
彼はアタシをルカに手渡した。
ルカは歓声をあげながら、荒々しくアタシを袋から取り出す。
「お人形さんだ! 可愛い!」
「良かったわね、ルカ」
髪を後ろでくくった優しそうな女の人が彼女の頭を撫でると、ルカはくすぐったそうに頷いてた。
「お兄ちゃん!」
その後、ルカはアタシを抱えて何処かへ走っていった。
箱の中でアタシが揺られるのも気にせずに。
本当、気分が悪かったわ。
ルカが走っていった先には、1人の男の子が座っていた。
彼は目線を手元に落とし、一心に何かに向かっていた。
「……何」
彼は心底煩わしそうな声でルカを一瞥した。
ルカは少しシュンとしながらも、アタシを抱え直しお兄ちゃんに向かっていった。
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