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「これ……」 「父さんに貰ったのか」 コクリと首を振ったルカに彼は憎しみを瞳に宿しながら言った。 思わずルカは後ずさる。 強い不安が直にアタシに伝わってきたわ。 ルカは彼に背を向け、そのまま駆け出した。 ピンク色が基調とされたドールハウスよりも可愛い部屋で、アタシを放ってヒンヒン泣いていた。 でも、その時アタシはルカよりもお兄ちゃんが気になって仕方なかった。 奥二重の瞳から感じられる強い負の感情。 それは何故かアタシの心を鷲掴みにしたの。 ――そう、それが。 始まりだった。
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