12人が本棚に入れています
本棚に追加
おどろき、反射的に荷物を投げ出し、革靴の持ち主を探す
と、洗面所から、ブォォ・・・というドライヤー独特の音がした
洗面所に飛び込むとそこにはせかせかと髪をとかす、父こと、家光の姿が
『お父さっ「おぉ里菜、久しぶりだな、急いで支度をしろ」・・・』
それが数ヶ月ぶりに会う一人娘に対する態度か💢💢
また鏡に向かいはじめた父に対して呆れつつも問いかける
『なんで支度なんかするの?これから夕飯作るのに・・・』
「悪いが夕飯は外に行くぞ、里菜、おまえに合わせたい人がいるんだ」
普段おちゃらけている父が急に真剣な態度になり驚く
そのまま部屋に追いやられ、仕方なく着替えを済ませるも、父のダメだしにより、更に8回程着替え、やっと今の白いワンピースに落ち着いた
『なんで食事くらいでこんな格好・・・』
普段しないような格好に私がむすくれていると
「そんなこと言うな、人間は一にも二にも第一印象が大事だからな」
いつになく上機嫌で心なしかソワソワしている父
「さ、いくぞ」
といって乗り込んだのは私の身に覚えがない黒い車
外車なのか左ハンドルで、いつもの軽自動車と違い、馴れない感覚から違和感に襲われた
戸惑う私を尻目に父は車を発進させた
最初のコメントを投稿しよう!