エクスクラメーション

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そんな『たらし』のYは趣味の一つとして、外見に似合わず読書を好んでいた。 柄の悪い奴らとつるみ、授業中には先生にヤジを飛ばし、昼休みにタバコを吸って、学校が終わった後に繁華街でナンパもしくはゲーセンで遊ぶ。 だが、その時間以外は、いつも本を読んでいるのがYだった。 それで話が合うのか、休み時間にはいつも真宮と本の話をしていた。 あの本がああだ。あの作者はそうだ。あのシーンはこうで、あの時の主人公が………などなど、本に関してなら話の内容は千差万別。 二人は飽きる事なく、いつも話をしている仲(休み時間限定)だった。 そんなある日、いつも通り窓の近くで風を浴びながら話をしている彼らに二人の女子が近づいた。 仮にその二人をAさんとKさんにしよう。 まあ、その二人は学校でもトップクラスの美貌の持ち主でもあったが、同時に二人ともYの彼女だった。 お互いそんなにも仲良くない二人が一緒にYに会いにきた。 たまたま近くで授業の課題をしていた俺でも、その光景を見て感づいたよ。 ああ、Yの二股がばれたんだなって。 予想は的中。二人が一緒になってYに文句をいいにきたのだ。 私をもて遊んだの?とか、あの言葉は嘘だったの?とか、ドラマで聞きそうな台詞をベラベラとまくし立てて、挙げ句の果てには「あなたの事をお父様にいいつける(後々わかったのだが、二人とも親が大会社の社長)」「言われたくなかったら、大勢の人がいる前で裸になって土下座してあやまって」などと、脅しや無茶な要求を一方的に言ってきたのだ。 これにはYも、まいったという感じ………いや、それどころか冷や汗が絶え間なく流れ続けていた気がする。 そんな時に、ずっと横で見ていた真宮が口を開いた。 「夜見(Yの本名)くん。君は謝らなくていいよ。彼女達は君をからかっているだけなんだ。それに、Yくんは二股をかけていたけれど彼女らはそれ以上に三股四股かけているしね。」 事実だった。 AさんもKさんも別にYの二股など気にしておらず、ただ単にからかっていただけだった。 だがこの時にその事実を知っていたのは、本人とその相手のみだったという。 この日を境に、真宮は次々とクラスメイトの秘密をばらすようになった。 それと同時に、学校中でイザコザがよく起こるようになったのだ。 口論がヒートアップして、ついに殴りあいに。 いたるところで喧嘩が勃発した。男子も女子も。
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