1 拒絶

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2-6 「んあー、いーい男だったよ。若いころの顔は今の長にちょっと似てたかなあ」 「お義母さん、お話はいいから先に濡れた服を着替えて」 「うるさいねえ、この人は。いい話をしてるんだ。邪魔するんじゃないよ」 「そんなこと言っても…」 「爺さんは、そりゃーもう腕っ節が強くてね」 「あ、待っておばあさん、風邪ひくといけないから――」 「あんたまで嫁の肩持つのかい」 「ううん、ただ心配なだけ」 「まー、いい子だねえ、あんた。もうひとり倅がいるんだけど、どうかね」 「ど、どう…って」 「ああ、あんたは長がいいんだっけ。やーめときな。長は一族のことしか見えてない。苦労するだけさ。若いうちは憧れるけど、現実を見たらみーんなそんなことは忘れちまうよ」
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