エピローグ

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18-1    エピローグ  居城への帰り、アルスはいつもセリューナの家のそばを通ることにしている。  彼女が畑にいる可能性の高い時刻なら、あえてそちらを見ないようにするのだが、今は違った。  陽が傾き、あるものすべてが緋色に染まっているので、夕食の準備のため、家の外にいるわけはない。  会っていくつもりも話すつもりもないのだが、何となく馬を動かせずにいた。  観賞魚、と言ったウィンシアの台詞がよみがえる。  見ているだけで満足できるなら、連れてきたりはしなかった。  不意に家の扉がひらく。  あわてたように出てきたのはセリューナだった。  しかし、こちらに気づく様子はなく、すぐそばの畑から葉野菜を収穫している。夕食の材料が足りなかったのだろうか。 「セリューナ」  想いより早く、声をかけていた。
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