エピローグ

5/6
前へ
/146ページ
次へ
18-4 「あ、えっと、そういえば、馬を返しておかなきゃいけなかったんです。どうしたらいいですか」 「いや、収めておけ。必要だろう」 「あ…、はい。ありがとうございます」 「だからといって、帰れもしないような場所へは行くなよ」 「いきませんっ」 「笑い話にはしない」  言って、セリューナの指に触れないよう籠だけをとりあげる。  こちらへ近づくために作ってくれたものなら、中身はなくても、これほど効力のある薬籠はない。  いや、そんなものより、お前自身が私の傍にいてくれたら、どれだけ心が休まるだろう。
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加