1 拒絶

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3-2 「悪いけど頼まれてくれるかなあ。親戚がいる北へ今日、ちょっと行ってきたんだけど、あたしゃつい、あんたのこと自慢しちゃったんだよね、うちの隣に天の娘が住んでるってさ。  で、北っていえばさ、イザエラ族の女子供や老人が逗留させられてるだろ? そこのエレーネって人から手紙をね、預かったんだよ。どうしても旦那のバキヤに届けてほしいって。これなんだけどさ」  ごそごそと、手荷物から二つ折りの紙片を取りだした。 「紙…きれ?」 「封をすると届かないと思ったんじゃないかなあ。ほら、男どもに変な合図を送ってるって思われたら、そこで止められっちまうだろ」 「あ、…そっか」  受け取ると、そこにはこちらはみな元気です、心配しないで、とだけ書かれてあった。
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