1 拒絶

15/28
前へ
/146ページ
次へ
3-5  頭さえとっちまえば後はどうとでもなるし、復興にも使ってるみたいだから、ざまあみろ的な意見も聞くしね。それでどうにか一族の感情もおさえてるんじゃないかなあ。  何にしろ、今は大変な時期だと思うよ。方々駆け回ってらっしゃるし、休む暇もないんじゃないかなあ。いくら若いっていっても、ちょっと心配だねえ」 「…うん。でもおばあさん、すごいいろいろ知ってるのね」 「一族の者が長をこのくらい知っておかなくてどうするんだい。たとえ長と面識はなくてもイザっちゅう時には駆けつけて長を助けようって気持ちは誰にだってあるんだよ」 「長はかわったばかり…なのに?」 「馬鹿にしてるのかい。長は世襲制じゃあない。長が認めなければ次代の長候補にさえなることはできないんだ。長が認めた長だ。間違いなんかあるわけないね」
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加