1 拒絶

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3-6  セリューナは息を呑んだ。  なんていう一族なんだろう。  これまでもたくさんのことを知ったつもりでいた。でも、そのほとんどはアルスの目から見た一族だったのだろう。  それとは逆に、一族から見た長。  そのとてつもない信頼と忠義に応え、頂点に立っているアルス。 「う、わ、わたし…っ」  とんでもない人を好きになっていた。 「籠編んでる場合じゃないだろ?」  うん、とうなずく。 「そういう人の傍にいようとする女はいない。ただ遠くから見て、感嘆するだけさ」 「でも、もう手遅れだから」  一族にとっての長、という固定観念がないままに、好きになってしまっていた。 「一族全部が恋敵だよ。行くんならそのくらい根性出して行きな」
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