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4-3
「う…」
吐き気と同時にめまいがした。
横になっているのにめまいがするとはどういうことだ、と他人事のように思う。何も、見えない。
「フェシルミアさま!」
セリューナ、であるはずはない。男の声だったし、彼女は私を、名前で呼ばない。
「レイン…か、なぜ」
「なぜじゃないですよ! 隣の部屋にいても聞こえるくらいの音がしたんですからっ」
落ち着いて周囲を確認すると、手に持っていたはずの報告書があちこちに散乱している。
どうやら、ベッドから落ちる際に散らばしてしまったらしい。
「何でもいいですから休んでください。目を閉じてるだけでもいいんです。お願いですから!」
「…ちょっと、めまいがしただけだ。眠れなくて退屈だったから、報告書を」
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