1 拒絶

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2-1    1 拒絶 「むー」  セリューナは自分が初めて作った手編みの籠を目の上にかかげ、その完成度をくるくると眺めていた。 「どーこから間違ったんだろう」  教えてもらった手順は間違わなかったはずなのに、ぎこちなく歪んでいる。 「ちょっとみせて。あら、これはどこからというより力かげんがまばらだから曲がってしまったみたいね」 「うー、そうでしたか。教えがいのない生徒でごめんなさい」 「なに言ってるの。この雨で退屈でしょって誘ったのはこっちよ。天から移ってきたばかりで何もわからないだろうから、あなたに色々教えてあげてくれっていうのは長からこのご近所一帯に言われているし、うちはすぐお隣だから、お近づきになりたいって気持ちもあるのよ」 「あ、それならわたしも、一族のことならいっぱい知りたいです」 「じゃあ気にすることないんじゃない?」  ふふ、と女性が笑い、歪んだ籠を製作者の手にもどした。
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