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「そのうちうまくなるわよ。これができないと、一族の男にお嫁にはいけないからね」
「それは大変だわっ」
急いで材料の草蔓を手にし、次へ取りかかるセリューナに、女性が失笑する。
「だいじょうぶよ。長はそういうの、気にされないかただから」
声にならず、セリューナは編もうとしていた草蔓をばらばらにしてしまう。
「あー、ちょっ、せっかくうまくいってたのに何てこと言うんですか!」
女性は心地よくひびく笑い声をきかせてくれた。
気にしない人は長だけじゃないのに、どうしてここでその人物を出してくるのか。
「あ、そうだ。そういえばひとつ疑問があったんですけど、アルス一族って自分たちのこと一族って言い方しますよね。みんな血がつながってるんですか?」
もう籠を編むのはあきらめて、びよんびよんと草蔓で遊びながら聞いた。
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