7人が本棚に入れています
本棚に追加
「居場所がバレたから移動するわ!」
機械の足が六本生え、立ちあがった酒場と地面。その端にはレオが立っており、上から騎士たちを見て叫んだ。
あまりにも想定を超えるレオに、呆然としている騎士と犯罪者を尻目に、レオを乗せた機械の城は、少女が走って行った方に向かった。
少し行った先の山肌に、それなりに大きな洞穴があった。
レオは穴の前で城を止めて降り、穴に入って行った。
穴の奥には、先ほどの少女がいた。
枝に火を付け、膝を抱えて座っていた。
「おいソール」
レオは少女――ソールに話しかけた。
「あ、おじさん……。ごめんなさい」
ソールはレオを見て、謝った。
「おいおい、なんで謝るんだ?」
「だって、おじさんは静かに暮したかったんでしょ? 酒場を山の中に建てたんだし……。なのに私のせいで……」
ソールは震える声で、ポツポツと話した。
最初のコメントを投稿しよう!