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先頭で入ってきた騎士が叫んだ。他の四人は剣を抜いて構えている。
「騎士団だ! クソッ!!」
飲んでいた犯罪者たちは、一斉に立ち上がって、ナイフを構えた。
「大人しくしろと言ったのに……」
カウンターを飛び越えて、フードの男がナイフを構えていた男の一人を、刃物のように尖った爪で斬り裂いた。
「ぐぇっ!」
「さて、一掃しようか……」
フードを取ると、男の顔が露わになった。
青い髪に青い瞳、その整った顔には、右頬に傷がある。極めつけは、右手が狼の腕のようになっていることだ。
今男を切り裂いたのは、その腕に着いた鋭い爪だろう。
「こ、こいつ“狼座”のルプスだー!!」
フードの男の正体に気づいた犯罪者たちは、急におびえはじめ、膝を着く者さえいた。
「さ、こいつらを連行しろ」
ルプスの命令で、入ってきた騎士たちが犯罪者たちを縄で縛り始めた。
続いて十人の騎士たちが入ってきて、縛り上げた犯罪者たちを立たせて外に連れだして行った。
「あれれ? 騎士さんたちがいっぱい……。何かあったの?」
そこにバスケットを持った一人の少女が入ってきた。
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