7人が本棚に入れています
本棚に追加
「お、おじさん。私、向こうに行ってるね」
レオが助けた少女は、場の空気を読んで竹林の方へ向って走って行った。
「ち、ガキは逃げたか……。だが、更に良い獲物を見つけた…。獅子座のレオ! 貴様を国家反逆罪で処刑する!!」
走り去る少女を一瞥したが、ルプスはレオに向き直った。
「はぁ、やっぱり何も知らないんだな……。仕方ない、やってやる」
レオは渋々といった感じで構えた。ルプスは、そんなレオを見て叫んだ。
「貴様! 俺を嘗めてるのか!? さっさと全開放しろ!」
しかし、レオは全く動じなかった。
「お前みたいな下っ端には、右腕一本で十分だ」
「言わせておけば!!」
レオの言葉に激昂したルプスは、全力でレオに飛びかかった。
「怒りに任せて特攻するとはな、やはり犬だな」
「俺は犬ではない! 誇り高き孤高の戦士、狼座のルプスだ!」
右腕の爪で斬り裂こうとするが、レオは身体を横に向けることで避けた。
「孤高の戦士のくせに、部下を連れてるのか? 孤高の意味を調べたらどうだ?」
ルプスはそれを聞くと、灰色の毛を逆立て、顔から耳までを真っ赤にした。
「言わせておけば!」
最初のコメントを投稿しよう!