星の誕生

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 ルプスは両手を交互に突き出し、レオを爪で突き殺そうとするが、レオは揺れるように身体をずらし、それを避けた。 「血ぃ上りすぎだ。頭冷やしてかかってきな」  レオは爪を立てないように、肉球のついた掌を向け、掌底をルプスの鳩尾に叩き込んだ。 「あぐっ!!」  怒りに身を任せていたルプスは、反応が出来なかった。人狼となって手に入れた筋肉も意味をなさなかった。  吹っ飛んだルプスは、後ろに居た騎士ともども建物の壁に激突し、気絶した。 「あ~あ、壁がへこんじまったぜ。こいつの修理代も頂いておくか」  いつの間にかルプスの財布を持っていたレオは、中から金貨を数枚取り出し、気絶したルプスに近づいて、財布を放った。 「ご来店ありがとうございました~」  気の抜けた礼を言うと、レオは店の中に入って行った。  無事だった騎士と犯罪者たちは、立場も忘れて顔を見合わせ、レオの入って行った扉を見つめていた。 「おい、揺れてるぞ!」  一分ほどすると、地面が揺れ始めた。 「何だ!?」  騎士が口ぐちに騒いでいると、酒場を中心に地面が盛り上がった。
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