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待つ事数分、女の子たちが小さい声でヒソヒソ話しているのに気が付いてボクは携帯でゲームをするのをやめて顔を上げた。
「遅い」
「悪い」
ちょっと、うんざりした顔をしていたから何かあったのかな?って思った。
黎の家に向かいながらボクは聞いてみた。
「なんでそんな顔してるの?」
「あっ?ああ...海麗の宿題のプリントとかサインをさっきそこで求められたからちょっと疲れた」
「したの?」
「してない」
さらっと言いながらバックを直す。
「なんでサイン嫌がるわけ?」
「嫌がってんじゃない、嫌いなだけだ。サインをもらって何の得があるんだ」
「思い出としてじゃないの?」
「目で見て確かめた方がいいだろ、サイン会とかは仕方なく書いてるけど、それ以外はあんまり書きたくないんだよ」
「へえ...」
アイドルとか芸能人はサインを喜んで書くと思ってたから結構驚いた。
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