80人が本棚に入れています
本棚に追加
黒猫はふらふらと行く。
何処にも属さず、ふらふらと砂利道を歩く。
だが、ある時石に躓いた。
それは少し大きくてゴテゴテとしているが所々角が丸い石。
黒猫は何故かその石が気になった。
ゆっくりと近づいてみる。
己の顔が映った。
まるで人間が持つ鏡のようだ。
黒猫はそう思った。
どうしても黒猫はその石が気になって仕方なかった。
ちょくちょくとその石を見に訪れた。
いつの間にか黒猫は、
その石に――居場所に―――
恋しいと覚えるようになった。
最初のコメントを投稿しよう!