序章

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黒猫はふらふらと行く。 何処にも属さず、ふらふらと砂利道を歩く。 だが、ある時石に躓いた。 それは少し大きくてゴテゴテとしているが所々角が丸い石。 黒猫は何故かその石が気になった。 ゆっくりと近づいてみる。 己の顔が映った。 まるで人間が持つ鏡のようだ。 黒猫はそう思った。 どうしても黒猫はその石が気になって仕方なかった。 ちょくちょくとその石を見に訪れた。 いつの間にか黒猫は、 その石に――居場所に――― 恋しいと覚えるようになった。
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