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「てめらいい加減にしろ!!!」
土方の喝によりその場は丸く収まった。
舌打ちをした彼ら二人は大人しく座りなおす。
まだ斎藤は空を見上げたままだ。
「……総司、情報つーのはそんなくだらねぇことなのか?」
「はい、そうですよ」
「そうか。なら、帰れ」
「嫌です。私の用事はまだ終わっていないんですから」
相変わらず沖田は陽気に笑う。
深くため息をつく彼に空を見上げていた斎藤が懐から小袋を取り出した。
そしてその小袋を土方に渡した。
開けると、中身は金平糖。
色鮮やかな色をしていて、小石のようにとても小さい。
「疲れた時は甘いものを」
「悪いな、一」
二人のやり取りを見ていた暁真と沖田はじーっと斎藤と金平糖を見る。
二人ともとても物欲しそうな子犬の顔で斎藤に訴えている。
再び大きくため息をついた土方は手に取った金平糖を二人に与えた。
「「やっぱり松穂の金平糖」」
異口同音で応えた。
お菓子に関して二人は天下一品だと土方と斎藤は認識することになった。
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