戯言

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「お前、何を――」 影の言葉に芹沢は無視をし、己の言葉を紡いだ。 「ただ殺すだけでは面白くはないだろう。ならば儂と共に昼夜を過ごし陰ながら殺す時を待てばいい」 「っ!」 「その方が儂は面白い。こういうのを賭けというのだったな」 不敵な笑みを浮かべた芹沢はまさに修羅と言える。 何処までも卑劣な男――。 黒い影はそう思えざるえなかった。 「儂が貴様に隙を見せたら儂は貴様に殺される。貴様が儂を殺せなくなった場合は――、儂が貴様を殺す。殺意を持たない人間ほど面白くないものはないからな」 影は唇を深く噛みしめる。 喉に突き刺してあった剣を下した。 すると、雲に隠れていた月が辺りを漆黒の闇に支配されていた町を淡い青で明るく照す。 その光によって芹沢の目が映したものは、 漆黒の黒髪と黒猫のような金色の目をした風貌の人間だった――。
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