3.ある母娘【親子】の物語

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「『おかあ…さん……』 1人の少女が倒れる。もう1人の少女は叫んでいた。 『だれか…きゅうきゅうしゃをよんでください!』 その少女たちの母はそのまま起きることはなかった。 その母は最後まで娘たちを守りきった。 そのことは新聞に小さく載った。 その少女たちの名は “みやもと あんな”と“みやもと みいな”と言いました。」 南依奈は息をゆっくり吐いた。 「私、幼いながらも助けを求めてた。 泣くよりもお母さんを助けることが優先だと思ったのかな。 …蒼はショックで数日間寝込んじゃったけど☆」 まだ夢を見ているかのように、笑う。 「私たちは目の前で母を殺された。 いまだに血を見るのは苦手だけど、何としてでも2人で犯人を探し出すの」 宣言する。 2人の父親は出張で3ヶ月に一度しか帰ってこない。 その日は決まって母の墓参りに行き、 夕食には母の大好きだったグラタンを食べる。 南依奈は毎日、日記を書いている。 天国の母と会話するために。 書き出しは必ず『お母さん』だった。 「お母さん、今日は蒼が変な質問をしてきた。答えられなかった。 いつになったら答えられるかなあ?」 ノートを閉じた。
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