1.2つの鏡

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「はあ…何とか間に合ったかな?」 「まあ登校してる学生もいるし、ギリギリセーフじゃない?」 蒼奈が横目で南依奈を睨む。 「明日から早く起きますっ!!」 「そう言ってできた試しないでしょ」 素早いツッコミに、詩杏も笑っている。 3人の通う『成田高校』は、この地区では割と頭が良いほうだ。 クラスはA・B・C・Dと知力のランクで分かれており、 蒼奈はもちろんA組、 南依奈と詩杏はC組だ。 結構新しい学校で校舎が2つに分かれている。 A・Bが『月』、 C・Dが『星』と呼ばれる校舎だ。 別名『moon』『star』。 「じゃ、またあとで」 「は~い、じゃあね、蒼(あん)」 それぞれの校舎へと向かう。 蒼奈が歩き出したその時、ある背の高い女性とぶつかる。 「ごめんなさい!ちょっと急いでて…」 女性が走り去ったあとも蒼奈はその場から動くことができなかった。
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