2.双子の過去

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A(蒼奈)side 「これで授業を終わります」 休み時間。(あ、ちなみに3人は1年です) 私は自分の身体に異変を感じていた。 さっきからめまいがするし…。 体だってだるい。 でもあと少しやったら昼休みだし、我慢出来るはず。 すると、ふっと意識が遠くなり、壁にもたれて倒れた(座り込んだ?)。 手に持っていた教科書や資料が床に広がる。 「宮本さん!しっかりして宮本さん!」 人が蒼奈の周りに集まった。 ――――――― ―――― M(南依奈)side 「軽い脱水症状でしょう。暫く寝れば治ると思います。 こまめに水分をとらなかったのが原因といえますね」 「ああ…良かった!」 南依奈が胸を撫で下ろす。 「少し席を空けるので待っていてもらえますか?」 「はい!」 南依奈は月の校舎の保健室に呼ばれていた。 蒼奈が休み時間中に倒れたというのだ。 特別なときにしか使えない校舎と校舎を繋ぐ通路を渡ってはるばる(?)やってきた。 双子の妹としては、 『水分不足』だけが倒れた原因とは思えなかった。 もしかしたら、【あのこと】をまた思い出してしまったのかもしれない。 私はちょくちょく入院するけど、蒼はめずらしい…――――。
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