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○月◎日 曇り
今日は休日だ。
朝起きると、キッチンには既に、兄がいた。
『おはよう。お兄ちゃん。』
挨拶は、今でもする。
「妹よ、なんだ、その口のききかたは!! 貴様は兄を何だと思っている!!」
兄、だと思ってるよ。認めたくはないけれど。
現実なんて、基本、理不尽の塊ですからね、希望など、必要以上に抱きません。
「貴様の兄は、人類最強なのだぞっ!?なめんまっ!!」
なにを1人で喋ってるんでしょうね、この兄は。
1人で喋っていられるなんて、幸せですね。
「人類最強の兄は、昨日から寝ていない!!だが、まだ寝ないぞ!!何故なら、人類最強だからだ!!」
つまり、オールしたんですね。
だから、いつも以上にウザい、と。
『朝食、作るけど、食べる?』
「おお、作れ!!作りたまえ!! ただし、毒を盛ろうなどと考えるな、私に毒など効かない!!はははははは」
「なんだと!?」
兄が何やらまた、ほざいていると、扉の方から絶叫が聞こえる。
弟の恭弥だ。
何やら、右手に茶色いビンを持って、震えている。
今日は出てきたんだね。
恭弥は、ひきこもりだが、家の中の範囲内なら、割と普通に出てくる。外出は絶対しないが。
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