Bar RISKY

2/8
136人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「おう、章!頼むな!店!」 「は?ちょ……店長!」 またかよ。 Bar RISKYで働き始めて半年。 ここの店長は気に入ったキャバクラの女の子が来るとすぐ一緒に店を出て行ってしまう。 そして店は俺に任せきり。 ま、でも店は暇だし。 別にいいか。 閉店まであと2時間。 グラスでも拭いてようか。 しばらくすると一人の女性が入ってきた。 「いらっしゃいませ……………」 女性はカウンターに静かに座った。 「なにをお作りしましょうか?」 「……じゃあ………ジンライムを………」 「かしこまりました。」 ジンライムをスッと彼女の前に差し出すと 彼女は泣きそうな顔で微笑んだ。 これは……聞くべき? 聞かれたくなかったらカウンターに座らないよな。 でもこの人、初めてだしな。 ポタッ わ、な、涙が………… 涙をこぼした。 俺はティッシュを差し出した。 「……ありがとう。」 あ、しゃべった。 うつむいてて よくわからなかったけど 綺麗な人だな。 俺は胸がドキドキした。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!