プロローグ

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―十二支が決まったのは遥か昔、それはまだ人間すら居ない時代のこと 神様の家に集まった動物達は楽しい宴会をしました 子は猫を騙した事を頭の隅に置いて丑の背に乗り楽しみ 寅は寝転んで卯巳申戌亥の温かい湯タンポになり 竜は神様と酉を乗せ飛んだりして 午と未は仲良く草を食べて 夢のような一日を過ごしました… ―― ― 終わりの時間が近づくにつれ神様は笑わなくなり、竜は神様の頬に自分の頬を慰めるかのように擦りました 「竜…そなたはお調子者に見えたがとても優しいのだな。ありがとう…」 無理に微笑む神様に他の動物達は心配そうに神様の元へ集まった 「私の命はもうすぐ終わる…桜の木が満開になってもいずれ散るのと同じように、この世に永遠はないんだよ…」 皆は悲しく鳴いたり呻いたりした “神様、どうか消えないで下さい!、私達の傍に…!、また宴会をしましょうよ!” 「ありがとう、皆…こんなに嬉しいことはない…」 神様はニッコリ微笑んで涙を流し、皆を抱き締めた
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