第1章 最後の思い出

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 屋上の扉を開けると、生ぬるい風がふわっと頬を撫でる。  眩しい太陽に一瞬瞳を閉じてしまう。  私は屋上に足を踏み入れ、いつもお弁当を食べている調度日陰になっている場所にお弁当を置く。  本当は太陽の下で食べたいけど……無理して綾翔に屋上で食べてもらっているわけだから、日陰くらいは許してあげないと。  私はお弁当を置くと、グラウンドが見える方のフェンスに向かう。  下を見ると男子たちが元気よくサッカーをしている。 上は眩しくて見ていられない。 「はぁ……暑いなぁ」  そう呟いたとき、屋上のドアが静かに開く音が聞こえた。
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