第2章 君との別れを

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待ち合わせ場所は、近くの公園だった。 私は公園にあるベンチに腰をかけて斎藤くんが来るのを待っていた。 時計を見ると9時半すぎ。 9時半に待ち合わせしたんだけど遅いなあ斎藤くん……まさか放置プレイじゃ……。 そんなことを考えていたら、耳にふぅっと風が入った。 「ひゃあっ!?」 「あはは。いい声だねぇ」 振り返ると意地悪に笑う斎藤くんが立っていた。 ていうか私に気付かれないでここまで来れた斎藤くん……感心しちゃうくらいすごいんだけど。 「お、おはよう斎藤くん」 「私服の河井さんかぁ。いいねぇ、なんかこう、脱がせ……」 「きゃー! そんな冗談はいいですから!」 斎藤くんは楽しそうに笑った。 普通にしてたらすごくかっこいいのに……なんで性格はこんなんなんだろう。 いや、逆に危ないのがいいとかでモテるのかな。
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